高校生活は、進学や将来の進路に直結する大切な時期です。
しかし近年、心の不調や人間関係、勉強へのプレッシャーなどを背景に、
高校で不登校になる生徒が増えています。
「このまま進級・卒業できるのだろうか」「将来に影響するのでは」と不安を抱くご家庭も多いでしょう。
本記事では、高校生の不登校の現状とその背景、
そして親や学校がどのように支え、将来につなげていけるかを詳しく解説します。
高校生の不登校の実態
文部科学省の最新調査によると、高校での不登校生徒は約9万人にのぼり、
10年前と比べても増加傾向が続いています。
高校の不登校は、中学生と比べて「進路」「人間関係」「学習負担」といった
より具体的な現実的ストレスが関係している点が特徴です。
また、登校しない理由の中には、
「人間関係の悪化」「授業についていけない」「学校に居場所がない」などの声が多く、
それぞれの背景に複雑な心理が絡み合っています。
高校は中学校よりも自由度が高い分、
サポートが行き届かないケースもあり、孤立を感じやすい環境でもあります。
不登校が進路に与える影響
高校での不登校は、単位の取得や進級・卒業に関係するため、
中学よりも現実的な課題が発生しやすいです。
しかし、「不登校=将来が閉ざされる」わけではありません。
むしろ、柔軟な制度や支援体制を活用することで、
自分のペースで再出発する生徒も増えています。
進学への不安
不登校期間が長くなると、「大学や専門学校に進めないのでは」と不安を感じることがあります。
ですが、出席日数や成績がすべてではありません。
AO入試や総合型選抜などでは、学力よりも「将来への意欲」「活動実績」などが評価されます。
通信制高校や定時制高校、サポート校に通いながら
資格取得やボランティア活動などに挑戦して進学する生徒も多くいます。
高校生活を「自分を見つめ直す期間」と捉えれば、
不登校の経験がプラスに働くこともあるのです。
就職・社会との接点
就職を考える場合も、近年では「不登校経験=マイナス」とは見なされなくなっています。
採用現場では、本人の「自己理解」や「社会性」を重視する傾向が高まっており、
高校時代に困難を乗り越えた経験が強みになることもあります。
不登校の期間中にアルバイト、ボランティア、オンライン講座などで
社会と関わる経験を積んでおくと、履歴書上でも「主体的な行動」として評価されます。
家族や学校ができること
高校生の不登校では、「本人を責めない」ことが何より大切です。
高校生は自我が強く、「どうせ分かってもらえない」と心を閉ざしやすい時期でもあります。
焦らず、信頼関係を再構築することが第一歩になります。
本人の意思を尊重する
「どうして行けないの?」と問い詰めるのではなく、
「今は何が一番つらい?」と、気持ちを中心に聞く姿勢を持ちましょう。
原因を探るより、「一緒に考えよう」というスタンスが重要です。
また、無理に学校へ戻すのではなく、
本人のペースに合わせて「別室登校」「分割登校」「通信制への転入」など、
柔軟な選択肢を検討していきましょう。
高校生は「自分で決めたい」気持ちが強いため、
本人の意思を尊重しながら小さな選択を一緒に重ねていくことが、回復の鍵になります。
情報提供とサポート
高校では、担任や学年主任だけでなく、
スクールカウンセラー・進路指導担当・支援コーディネーターなど
多職種が連携してサポートする体制があります。
学校によっては、オンライン授業・自宅学習支援・別室登校などの
「柔軟な在籍支援プログラム」を設けているところもあります。
親が率先して学校と情報を共有することで、
「休みながらでも学びを続けられる環境」が整いやすくなります。
また、親自身も教育相談センターや不登校親の会などを活用し、
孤立せずサポートを受けながら見守ることが大切です。
不登校を経験した高校生のその後
不登校を経験した高校生の多くは、
時間をかけて自分の進む道を見つけていきます。
文部科学省の調査では、不登校を経て通信制高校や専門学校に進学したり、
社会に出て働きながら資格取得を目指すケースも少なくありません。
また、「不登校だった自分を受け入れられた」と語る若者の中には、
後にカウンセラーや教育支援職を志す人もいます。
つまり、不登校は「挫折」ではなく、人生の選択を見直す貴重な期間でもあるのです。
保護者が意識しておきたい3つのこと
- 焦らず見守る勇気を持つ
焦りは子どもに伝わります。長期的視点で支える覚悟を持ちましょう。 - 比較しない
「○○さんの子はちゃんと通ってるのに」と比べることは禁物。
子どものペースを尊重する姿勢が安心感を生みます。 - 親も支援を受ける
家庭全体のバランスを取るために、親もカウンセリングや相談を受けましょう。
親の安定が、子どもを支える最大の力になります。
まとめ
高校生の不登校は、決して珍しいことではありません。
背景には、進路への不安、学校への適応の難しさ、心の疲れなど、
さまざまな要素が複雑に絡んでいます。
親や学校がすべきことは、「行けない理由を正す」ことではなく、
「どうすれば安心して生きられるか」を一緒に考えることです。
不登校の期間は、子どもが「自分のペース」を取り戻す大切な時間。
焦らず、信じて、支えていくことで、
必ず新しい未来への一歩を踏み出せるはずです。





