中学生の不登校はなぜ増えている?現状と家庭・学校でできる支援

近年、中学生の不登校が急増しています。
文部科学省の最新調査(2023年度)では、
全国で約25万人の中学生が年間30日以上学校を欠席しており、
過去最多を更新しました。

中学校は思春期の真っただ中。
心と体の変化が激しく、勉強・人間関係・進路など多方面のストレスが重なります。
そのため、「学校に行きたくない」「朝になると体調が悪くなる」といったサインを
どの家庭でも経験し得る時代になっています。

この記事では、中学生の不登校が増えている背景と最新の支援動向、
そして家庭・学校ができるサポートの具体策を解説します。

中学生の不登校が増加している背景

不登校の要因は一つではありません。
学習・心理・人間関係・社会的要素が複雑に絡み合っています。
ここでは、代表的な背景を整理します。


1. 思春期による心の不安定さ

中学生は「自我」が芽生え、周囲との比較や評価に敏感になります。
「自分は何者なのか」「どう思われているのか」という自己意識の高まりが、
ストレスや不安として表れやすくなります。

また、ホルモンバランスの変化によって、
感情の浮き沈みが激しくなるのもこの時期の特徴です。
心が不安定な状態で、学業や人間関係のプレッシャーにさらされることで、
学校に行けなくなるケースが増えています。


2. 学業・進路へのプレッシャー

中学では定期テスト・内申点・進路選択など、
「評価される緊張感」が一気に高まります。
成績の比較、塾通い、親からの期待などが重なることで、
「勉強=苦しいもの」というイメージが強くなり、登校意欲が低下することがあります。

さらに、高校受験が近づくにつれ、
「頑張らなきゃ」「でもうまくいかない」といった自己否定が進み、
心理的疲労から体調不良を引き起こすことも少なくありません。


3. SNS・人間関係の複雑化

近年の不登校増加に大きく影響しているのがSNSです。
LINE・Instagram・X(旧Twitter)などでのコミュニケーションが常態化し、
「オンライン上のつながり」が新たなストレス源になっています。

  • 既読スルーへの不安
  • グループ内のトラブル
  • 匿名での悪口・画像の拡散

こうした「見えないいじめ」や情報過多が、
学校というリアルな場を“怖い場所”に感じさせる一因になっています。


4. コロナ禍以降の生活変化

長期の休校やリモート授業を経験した世代は、
学校以外の生活スタイルに慣れやすくなっています。
その結果、「集団で過ごすこと」に違和感や疲れを感じる生徒が増えています。

また、社会全体が不安定な中、家庭内でもストレスを抱えるケースが多く、
家庭環境の変化が不登校の引き金になることもあります。


現在の支援制度と教育現場の動き

中学生の不登校が増加する中で、
教育現場や行政も従来の「登校重視」から「多様な学び」への転換を進めています。


出席扱い制度の拡充

文部科学省は2019年度から「出席扱い制度」を全国に推奨しています。
これは、不登校の生徒が在宅学習・オンライン授業・フリースクールでの活動を
「出席」として認定できる制度です。

出席扱いの条件(例)

  • 学習内容が学校教育課程に準ずること
  • 校長の判断により、指導要録上「出席扱い」と認定できる
  • ICT教材・訪問指導などの活用も対象

この制度により、
「学校に行けない=学びが止まる」という時代ではなくなりました。
不登校は“別の学び方”を模索する過程と考えられています。


フリースクール・適応指導教室との連携

全国の自治体では、「教育支援センター(適応指導教室)」を設置し、
学校と家庭をつなぐ第三の学びの場を提供しています。

また、民間のフリースクールとの連携も進み、
心理的ケアと学習支援を組み合わせたプログラムを受けられる地域が増えています。

これらの場では、
「登校再開」だけでなく「社会との再接続」を目的とした支援が行われています。


学校現場の変化

以前は「どうにか登校させる」ことが最優先でしたが、
今は「安心して通える方法を一緒に探す」という支援方針に変化しています。

具体的には、

  • 午後登校や週数回の登校を認める
  • 別室・図書室登校など環境を選べるようにする
  • 担任以外の教員やスクールカウンセラーが継続的に関わる

など、**“登校の形を柔軟にする支援”**が広がっています。


家庭でできる支援と関わり方

中学生の不登校において、
親の対応は子どもの回復スピードを大きく左右します。


1. 否定せずに受け止める

「行かないの?」「怠けているのでは?」という言葉は逆効果です。
まずは「行けないほどつらいんだね」と共感すること。
“話せる環境”を保つことが第一の支援になります。


2. 生活リズムを整える

昼夜逆転が続くと、体調も心も不安定になります。
「無理に朝早く起こす」よりも、「同じ時間に起きる」「朝日を浴びる」など、
小さな生活のリズムを取り戻すことから始めましょう。


3. 親自身が支援を受ける

親もまた、孤独と不安を抱えています。
「しんどい」と感じたら、教育相談センターや親の会を活用しましょう。
親が心の余裕を取り戻すことが、子どもにとって最大の支援になります。


不登校を「回復のプロセス」として捉える

不登校は失敗ではなく、**「自分を守るための反応」**です。
無理に押し戻すのではなく、回復のステップを踏むことで、
子どもは再び社会と関わる力を取り戻していきます。


回復の4ステップ

  1. 休息期:心身のエネルギーを回復する
  2. 安定期:家庭で安心感を取り戻す
  3. 探索期:自分に合った学び方を模索する
  4. 再出発期:学校・社会との関わりを再開する

それぞれの段階で、焦らず時間をかけることが大切です。
特に中学生は感情の変化が大きいため、
「昨日できたことが今日はできない」も自然なことと受け止めましょう。


社会全体で不登校を支える時代へ

文部科学省は2024年の「不登校支援基本方針」で、

「学校復帰を唯一の目標とせず、学びの継続と社会的自立を支援する」
と明言しました。

これは、従来の「登校主義」からの大きな転換です。
社会全体で不登校を「支援の対象」として受け止め、
子どもの個性に合った学びを選べる社会へと動いています。


まとめ

中学生の不登校は、思春期の心理変化や学業プレッシャーなど、
誰にでも起こり得る課題です。

大切なのは、「なぜ行けないのか」を責めることではなく、
「どうすれば安心して学べるか」を一緒に考えること。

不登校は“問題”ではなく、“成長のプロセス”。
家庭・学校・地域が連携し、子どもが自分のペースで前に進める社会を、
大人たちが支えていく時代に変わっています。


この記事のポイント

  • 中学生の不登校は25万人超、過去最多
  • 原因は思春期・進路不安・SNS・環境変化など複合的
  • 出席扱い制度や教育支援センターの活用が鍵
  • 不登校は「回復のプロセス」、焦らず支援を続ける

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この記事を監修した人
オン塾長

はじめまして、オン塾長です!専門学校で10年以上、教育に携わってきました。このサイトでは、私のこれまでの経験と知識を活かし、さんが楽しみながら着実にステップアップできるような情報をお届けします。一緒に目標達成を目指しましょう!

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